昨年11月に日本盤がリリースされ、3月に来日も決定したジャロッド・ローソン。本人はアメリカのポートランド在住なのだが、昨年5月に自主制作でアルバムをリリースし、パトリックだけでなく、ケヴィン・ビードルやジャイルス・ピーターソンといったジャズやソウルを愛好するイギリスのDJの間で話題となり人気を集めることとなった。
そもそもイギリスでは若者がブラックミュージックを愛好する伝統みたいなものが浸透している。1960年代のモッズはソウルやスカを愛聴したし、70年代はディスコブームと連動したジャズファンクがブームとなり、80年代には、シャーデーやスタイル・カウンシルといったジャズやR&B、ボサノバを取り入れたポップスが大ヒットした。90年代にはアシッド・ジャズ・ムーブメントの中からブラン・ニュー・ヘビーズやジャミロクワイといったアーティストたちがスターになり、本場アメリカでも成功を収めている。そんなイギリスでも音楽に詳しく、ときに世界の音楽動向を左右するDJたちを魅了した彼の名声が高まるのは時間の問題であった。