米IT企業のグーグルが、超微細のナノ粒子と体に装着するウエアラブル端末を組み合わせ、がんや心筋梗塞、脳卒中などの兆候を発見する技術の開発に取り組んでいる。
磁気を帯びたナノ粒子を飲み込み、体内の細胞やタンパク質に付着させ、手首に装着した腕時計型端末で引き寄せて体外から分析し発症の可能性を探査する。5年後の実用化を目指している。体内に異物を入れるため、安全性や倫理面で克服すべき課題は多いが、名作SF映画「ミクロの決死圏」(1966年)で描かれた体の内部から病気を治す夢の医療の実現に期待が高まっている。
病気の早期発見に期待
「われわれは医学を対症療法的措置から、先を見越した予防的措置に転換させることに挑戦している。ナノ粒子は体の内側から分子や細胞レベルで診察できる能力を与えてくれる」