昨年夏、大型音楽フェスティバル「SUMMER SONIC」でのパフォーマンスに圧倒された。そのあとに出てくるももいろクローバーZを待つファンが多数いる中、一曲やるごとに会場全体を味方につけていき、最後は会場が一体になって曲に合わせて手を挙げていた。ボーカル&ギターの田邊駿一は「ステージに上がるとももクロファンの人たちが喜んで迎えてくれて驚きました。ならば持ち味を一方的にぶつけるのではなく、見ている人のことを思えるようにするんだ、という自分たちの新しい意識を発見しました」と振り返った。彼らの強力なステージパフォーマンスを鍛えたのは、デビューを自ら辞退するという挫折とメンバー脱退の危機を乗り越えた経験だ。
デビューを辞退
就職率100%だったという九州の高等専門学校で結成されたバンドは、周囲の反対を押し切って音楽活動を夢見て上京。後にコンテストで優勝したことをきっかけにレーベルから誘いを受け、あっという間にメジャーデビューのスケジュールが組まれた。