2008年にメジャーデビューした3人組ロックバンド、UNISON SQUARE GARDENの5枚目のニューアルバムがリリースされた。新作は、曲調や音色も華やかで彩りのあるアルバムになっているが、やはり彼らの持ち味である圧倒的なスピード感、シャープな演奏で「切れ味」とでも表現したいほどの、曲中のブレークを含むアレンジが刺激的だ。過去4枚のアルバムで私が感じてきたのは、作品や時代ごとにいろいろなものにトライをする振れ幅のある音楽というよりは、本来持っている自分たちの持ち味を変えずに、むしろ研ぎ澄まして音を鳴らし、アルバムという形で表に出す、という一貫性だ。
新作に対して作詞作曲を担当しているベースの田淵智也は「僕らはこれしかできないんで、と言い張れるものを作ろうと思った」という。ボーカルの斎藤宏介は「迷いを振り切るという作業がなかった。3人でできることを理解した上でやれることをやり切った感じ」と語った。