2014.8.18 19:10
【青信号で今週も】
歯医者さんに、「歯の神経を抜きましょう」と言われることがあります。歯の神経は、歯髄と呼ばれる歯の中心部の柔らかい部分に存在しています。骨でいう骨髄のような場所です。その周りを象牙質がおおい、一番外側をエナメル質という固い組織がおおっています。三層構造の歯は、上あごや下あごのくぼみである歯槽というところにうまくはまり込んでいます。
虫歯が進行して、外側の硬い組織を破られ歯髄にまで到達してしまうと、神経組織の刺激によって激痛になることがあります。また、外側の穴が小さくても歯髄の中で虫歯菌が繁殖して炎症を起こしていることもあります。こうした時には、「神経を抜く」という作業を行うことになります。歯科の先生におうかがいしたところ、糸のような神経を引っ張って抜くというよりも、歯髄を削りとってきれいにするという作業とのことです。
歯は生きている組織です。硬く、形も変えないため、ただそこに存在しているだけのように見えますが、きちんと生きた臓器です。例えば、「神経を抜いた」歯の色が変わってしまったり、もろくなったり、歯周病が悪化したりしてしまいます。歯髄に来ていた血流もなくなってしまうため、歯が死んでしまうためです。