国内の冷蔵庫市場は、2010年度のエコポイント特需で445万台になり、13年度は消費税増税にともなう特需で466万台に増加。14年度は396万台の需要予測になっているが、ここ数年の特徴は501リットル以上の大型冷蔵庫が増えていることだ。11年度は全需要における構成比で16.4%だったのが、14年度には20%にまでアップしている。このため、業界では大容量の冷蔵庫開発が焦点となって、シェア争いも激しい。
断熱材を薄く
三菱電機では静岡製作所が冷蔵庫開発・製造販売を担うが、ここ数年の課題はやはり大容量化だった。冷蔵庫は横幅と高さを大きくすれば容量は増えるが、家庭用では設置幅も高さも限られる。限られた範囲で、いかに容量を増大させるか。国内で製造販売する冷蔵庫の技術開発の責任者である大矢恵司・技術第一課長はじめ技術陣が取り組んだのが、側面や扉面の断熱材をいかに薄くするか、だった。外壁が薄くなれば当然、同じ横幅、高さでも容量は増大する。
技術陣が開発したのが、ウレタン発泡技術と高性能の真空断熱材を採用した独自の「薄型断熱構造スマートキューブ」。