ポル・ポト政権時代の膨大な資料を収集している「カンボジア虐殺記録センター」のチャン・ユー所長は、今回の判決を「より良い民主社会へ向けた長い道のりの始まりにすぎない」と形容する。
裁判では、ポル・ポト政権の指導理念や組織の全体像、命令系統など大虐殺の真相究明が期待されてきたが、被告らは口をつぐんだままだ。特別法廷は慢性的な資金不足で、予算の4割近くを拠出する最大支援国の日本を含め各国の支援も息切れ状態。人類史に残るポト派の犯罪の全容解明に向け、さらなる裁判の加速が求められる。(共同/SANKEI EXPRESS)