公判では両被告とも無罪を主張。だが判決は、両被告がこれらの犯罪を計画、扇動するなどしたと指摘し、刑事責任をほぼ全面的に認定。首都プノンペンから地方へ少なくとも200万人が強制移住させられ、多くの人々が殺害されたほか、飢餓や病気で死亡したとした。
≪死去、認知症、高齢の被告…厳しい時間との闘い≫
ポル・ポト政権の中枢にいた元最高幹部2人に歴史的な法の裁きが下った。元最高幹部を断罪した初めての判決は、ポル・ポト政権時代の評価を定め、分断されてきた国民の和解促進に大きな意義を持つ。だが、両被告の裁判は分割審理されており、今回はその最初の一部分にすぎない。高齢の被告たちを前に、特別法廷はさらに厳しい時間との闘いを強いられている。
カンボジアではポル・ポト政権崩壊後も、長い内戦などのため、本格的な政権の検証は行われてこなかった。1993年に新生カンボジアが誕生、ポト派の責任追及の動きが始まったのは90年代後半。2004年にようやく国際社会の支援による特別法廷の設置が決まった。