最高指導者のポル・ポト元首相は既に1998年に死去しており、特別法廷で起訴されたのは5人。まずプノンペンにあった政治犯収容所のカン・ケ・イウ元所長の裁判で2012年2月に終身刑が確定した。
だが、11年に始まった元ナンバー2のヌオン・チア被告ら元最高幹部4人の公判は難航。イエン・チリト元社会問題相は12年9月、認知症のため裁判を受けられる状態ではないとして釈放された。夫のイエン・サリ元副首相兼外相も昨年(2013年)3月に死去。4被告のうち2人が“消え去る”事態となった。
今回の裁判は初公判から判決までに約3年を費やした。分割審理の2番目となる裁判の公判は先月(7月)末に始まったばかりだ。
特別法廷は2審制。法廷当局者は「分割審理により裁判を急ぐのは、部分的にでも何とか被害者らが納得する“結果”を得るためだ」と強調するが、2審判決の前に被告が世を去るようなことになれば、確定判決を得られないまま終わることになる。