盗聴事件から…反転攻勢
だが、ニューヨーク・タイムズは「マードック氏の買収の意思は固く、提案の取り下げに否定的」と報道。ロサンゼルス・タイムズも「フォックスは買収価格を引き上げるだろう」との関係者の見方を伝え、ワーナー傘下のCNNは「簡単には諦めない」と、自ら警戒感をあらわに報じた。
実際、16日のニューヨーク株式市場では、新たな買収提案を見込み、ワーナーの株価は17%も急騰した。
21世紀フォックスは昨年(2013年)6月、マードック氏が築いたニューズ・コーポレーションから、20世紀フォックスやFOXテレビなどの娯楽部門を切り離して発足した。傘下の英日曜紙による前代未聞の政治家や芸能人らの盗聴事件が発覚し、新聞・出版部門との分離を迫られ、帝国は縮小を余儀なくされた。今回の買収提案は娯楽部門になお君臨するマードック氏の反転攻勢ののろしといえる。