サントリーホールディングス(HD)は6月24日、佐治信忠会(さじ・のぶただ)長兼社長(68)が代表権を持つ会長に退き、次期社長に10月1日付でローソンの新浪剛史(にいなみ・たけし)会長(55)が就任する人事を明らかにした。非上場企業のサントリーでは、1899年の創業以来、創業家以外の経営者がトップに就くのは初めて。グローバル展開の加速には外部人材の登用が必要と判断した。7月1日の臨時取締役会で正式に決定する予定だ。
「わがサントリーにふさわしい人物だ。タイミングをずっと待っていた」
6月24日朝、都内で取材に応じた佐治氏は、数年越しの“ラブコール”を笑顔で振り返った。ゴルフ仲間で慶大の後輩でもある新浪氏に対しては、数年前から「意中の人」だと伝えており、昨秋に社長就任を正式に要請したという。
新浪氏も24日夕、「サントリーの企業文化の『やってみなはれ』はイノベーションの精神だ。世界中で新しい価値を作っていきたい」と意気込みを述べた。
サントリーは5月に約1兆6000億円を投じて米蒸留酒大手ビームを買収、蒸留酒の世界シェア3位に躍り出た。2020年にはグループ売上高4兆円と13年比で倍増を目指している。海外展開と成長を優先して実現するためには、実績や経験が豊かな外部の経営者を招く必要があると判断した。