米アップルは5月28日、音楽配信会社を傘下に持つ米高級ヘッドホンメーカー「ビーツ・エレクトロニクス」を30億ドル(約3000億円)で買収すると発表した。アップルにとっては創業以来最大規模の企業買収となる。ビーツは米人気ラップ歌手、ドクター・ドレー氏(49)ら音楽業界のプロが2006年に創業した先鋭的な企業。1曲ごとのダウンロード販売が主体のアップルに対し、ビーツは定額制でデータ受信しながら同時再生するストリーミング方式を採用している。音楽配信市場では、定額ストリーミング方式を用いたライバルが大躍進しており、アップルは先端的なイメージで音楽ファンに人気が高いビーツの買収で巻き返しを狙う。
ヘッドホン大人気
「わが社で特別な位置を占める音楽ビジネスにおいて、世界一革新的な音楽製品とサービスの創出を継続するため、並外れたチームを迎え入れる」
アップルのCEO(最高経営責任者)、ティム・クック氏(53)は声明文で今回の買収の意義をこう説明した。
ロイター通信などによると、買収は現金26億ドルと株式4億ドル分で実施する。