前回の5月14日付で紹介したマーク・ド・クライヴ-ロウが強力にプッシュするドラマー、それがトマゾ・カッペラット。スピリチュアルジャズの新星、アストラル・トラヴェルを率い、現在はイタリアに在住するトマゾだが、かつてニューヨークで伝説的なジャズ・ピアニスト、ハリー・ウィテカーに師事していたという。
ハリー・ウィテカーは1970年代に初のリーダーアルバム『ブラック・ルネッサンス』を日本のベイステイト・レコードからリリースしている。その作品ではジャズ、ソウル、アフリカ、ダブといった濃厚なアフロ・アメリカンの音楽が交錯する唯一無二の演奏が繰り広げられており、クラブジャズ系の音楽リスナーの間では今も高く評価されているのだ。その内容の素晴らしさと希少価値が手伝って今や中古盤屋では5万円近い値を付け、世界中のDJやコレクターの間で羨望の的となっている。