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米国の「核の傘」 揺らぐ信頼性 (3/3ページ)

2014.4.14 15:35

日米防衛相会談を終え記者会見する、小野寺五典(いつのり)防衛相(左)と米国のチャック・ヘーゲル国防長官=2014年4月6日、防衛省(共同)

日米防衛相会談を終え記者会見する、小野寺五典(いつのり)防衛相(左)と米国のチャック・ヘーゲル国防長官=2014年4月6日、防衛省(共同)【拡大】

 核戦力維持が巨額の財政負担を伴う一方で、アルカーイダなど国際テロ組織による核保有の恐れがあるなか、米政府が核政策の見直しを進めるのは理解できなくもないが、安全保障の根幹を米国の核の傘に依存するわが国としてはもろ手を挙げての歓迎とはいかない。

 増強急ぐ中国

 すでにわが国とって現実的な脅威となった中国は、海空軍だけでなく核戦力の増強にも邁進(まいしん)しており、東シナ海や南シナ海から米国本土を核ミサイルで狙うことができる晋級戦略ミサイル原潜の配備を急いでいる。一方、北朝鮮は「新形態の核実験」の実施を示唆している。つまり、わが国を取り巻く核戦力環境は悪化の一途をたどっているといっていい。

 日本政府はヘーゲル氏の対日防衛明言を歓迎しているが、そこで思考停止状態に陥っていいのだろうか。中国の核ミサイルがワシントンやニューヨークを射程に収めるなかで、米国は日本のために本当に核の報復に踏み切れるのか、「核なき世界」を掲げるオバマ氏は核ミサイルの発射命令を下すことができるのか、核報復がされるとしたら、それはどのような事態になってからなのか。元防衛省幹部は「日本が米国とその核戦略について真剣に討議する時期が来ている」と指摘している。(笠原健/SANKEI EXPRESS

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