「京都にいる間、毎夕に寄ってくださる外国人観光客の方もいました。一日の最後に決まってここで時間を過ごすんです。帰る前に、今日が最後ですと声を掛けられました。なんかうれしかったですね」と澤村さん。京都の旅を楽しんでくれたのだろう、その一部になれたことがうれしいという。
実はここ、喫茶店を舞台にした人気ミステリー「珈琲店タレーランの事件簿」(岡崎琢磨著)のモデルの一つなのだそうだ。著者が学生時代によく訪れていたそうで、この日もパソコンに向き合う人、カップルで読書をする人など、さまざまな客が時間を過ごしていた。
自家製だからこそ
さて、おいしいコーヒーはもちろんのこと、ランチやディナー、軽い食事とさまざまに楽しめるメニューをそろえているのも特徴だ。
一番のおすすめは、自家製デミグラスソースが自慢の「黒毛和牛のビーフシチュー」。土鍋に入った熱々のシチューと、隣の併設ベーカリーで焼いたフランスパンのセットが人気の一品。
「手を抜かないのが信条」というスタッフが、食べやすさを考えて一から作るソースはさらりとしてあっさりした味わい。一度食べるとやみつきになること請け合いである。ワインをお供にディナーでも、というときによさそうだ。