【京都うまいものめぐり】
江戸時代の文政年間創業という京都の老舗、山中油店。京都土産として観光客にも人気の店だが、そのすぐ近くに、同店プロデュースのショップ&カフェ「綾綺殿(りょうきでん)」がある。看板商品の「玉締めしぼり胡麻油」から直輸入のオリーブオイルまで、こだわりの油を使った料理がすぐに食べられるのが魅力。建物は築約110年の京町家で、京都情緒もたっぷり味わえる。
当日使用の油を紹介
「本日使用中の揚げ油はこちらです なたね赤水 むかしながらの製法でサクッと香ばしく」
元米屋だったという古い京町家の風情をそのままいかした店内。奧の壁にはこんな貼り紙があった。さすが、油屋さんのカフェというべきか。今日の揚げ物に使う油が紹介されている。
「焙煎(ばいせん)して搾るので香ばしく、揚げたときにうまみやコクが出るんです。空揚げなどにいいですね」と教えてくれたのは山中油店の浅原孝専務。
オープン当初はカフェメニューだけだったが、2年ほど前から食事も提供するようになった。すぐ近くの本店で売られているさまざまな油を、実際に味わってもらうためだ。