交流と癒やし
記者は昨年(2013年)12月15日、佐賀県の唐津コース(11.2キロ)を歩いた。スタート地点の道の駅を出発してすぐ、木の枝に結ばれた青と赤のリボンや木製の矢印が目に入る。至るところにある目印のおかげで、迷わず進める。
1時間ほど歩くと、約400年前に豊臣秀吉が通ったと伝わる「太閤道」に入った。木々に日光が遮られ、昼間でも薄暗い。坂道で息が上がるが、落ち葉を踏みしめる音が耳に心地よい。
朝鮮出兵の拠点だった名護屋城跡へ。天守台から、かつて秀吉も見たであろう玄界灘を一望できた。農村を歩くと上空でトビの鳴き声が響いた。出発から4時間半でゴールの波戸岬に到着。近くの屋台で味わったサザエのつぼ焼きは絶品だった。途中で出会った韓国・大田の白敬順さん(58)は「九州は初めてだが、とても癒やされた」と笑顔で話した。
唐津市鎮西支所の坂井善徳係長は「コースの維持管理など地元住民の協力は欠かせない。地域全体でサポート体制をつくっていきたい」と話す。李さんは「オルレをきっかけに、韓国との交流が進んでほしい」と語った。(SANKEI EXPRESS)