家族や他人同士、独身者らが同じ木の下で自然に返る樹木葬が人気だ。核家族化が進む中、家の墓と違い跡継ぎがいらないことが関心を集めている。元気なうちから死後に寄り添う場所を決めた仲間は互いを「墓友」と呼び、趣味や語り合いの会を持っている。
心のよりどころ
東京都町田市の民間霊園。サクラを墓標にして周囲の芝生の下に遺骨を埋葬した共同墓がある。昨年(2013年)12月上旬の見学会では「日当たりが良くてすてき」「家族に負担がないのがいい」と参加者に好評だった。
2005年に完成したこの樹木葬墓地は、NPO法人エンディングセンター(町田市)が霊園と共同で運営する。使用料は1人40万円、2人で70万円など形式によって違い、直径15センチの円筒形に掘る区画が約3000カ所ある。
センターの樹木葬は「桜葬」と呼ばれる。毎年サクラの花の咲く頃に会員が集まり、詩の朗読や仏式、神式、キリスト教式でそれぞれ故人を弔う。会員同士で俳句や気功、散策などのサークル活動もしている。