開幕まで1カ月を切ったソチ冬季五輪を前にテロの脅威が現実味を増している。昨年(2013年)末、ロシア南部ボルゴグラードで起きた連日の爆破テロで緊迫度が一気に上昇した。ソチに隣接するロシア南部・北カフカス地域の武装勢力による五輪妨害の予告もあり、ウラジーミル・プーチン大統領(61)は「テロリストを全滅させる」と宣言。国家の威信をかけ、異例の厳戒態勢で臨む五輪の成否はテロの封じ込めにかかっている。
司令官、開催阻止呼び掛け
「われわれがテロリストを恐れれば、彼らの勝利だ。テロリストが残酷で憎悪に満ちた活動をする機会は一度たりとも与えない」。プーチン氏は昨年(2013年)9月、治安機関は五輪の安全を守り、テロを防げると自信を示した。
しかし、この言葉とは裏腹に10月以降、ソチから約700キロのボルゴグラードで路線バス、駅舎、トロリーバスが次々とテロに襲われた。死者は計40人に上った。
「次はどこが標的に?」。ロシア国内外でソチの安全に懸念が募る。