ソチ冬季五輪は1月7日で開幕まであと1カ月となる。ロシア南部のソチではテロへの警戒が一段と強まる中、大会の成功に国家の威信を懸けるウラジーミル・プーチン大統領(61)が年始の連休を返上して会場を視察するなど、遅れ気味の準備作業は最終段階に入った。
7日には氷上競技の会場が集まる黒海沿岸の五輪公園で、世界各国の報道機関の拠点となるメーンプレスセンターがオープンする。約50キロ離れたスキー会場は例年以上の降雪に恵まれた。ゲレンデは一般客を対象にした営業が6日で終了し、本番に向けた準備が本格化する。
警官3万7000人動員
昨年(2013年)末にソチから北東へ約700キロのボルゴグラードで起きた連続爆弾テロは、冬のスポーツの祭典を控えたソチにも暗い影を落とす。空港や駅では手荷物検査がさらに厳重になり、年始は祝祭期間で街角の人通りが少なくなったのとは対照的に、数人単位で巡回する警察官の姿が目立った。
7日からはテロ防止などを目的とした治安当局の警備態勢が最高水準に引き上げられる。ソチでこれまでに多数の死者を伴うテロは起きていないが、治安当局はテロの可能性を排除しておらず、パラリンピック終了後の3月下旬まで厳戒態勢を敷く。7日から3月21日まで、ソチ市内に入る車両の通行規制を厳格化。