昨年(2013年)12月16日、とかち鹿追地域(北海道鹿追町)が日本ジオパーク委員会によって33番目の日本ジオパークに認定された。「ジオ」はギリシャ語で、ジオパークは通称「大地の公園」という。貴重な地形や地質を保護しながら教育や観光資源として活用するのがジオパークだが、ここ数年、日本でも認知度が少しずつ高まり、訪れる人も増えてきた。やはり昨年9月に日本ジオパークの新顔となった桜島・錦江湾ジオパーク(鹿児島市)を訪ねてみた。
市街地のどこからでも望める桜島は、毎日のように噴煙を上げ、2010年からは毎年1000回を超える噴火を起こしている。噴煙を上げるたびに歓声を上げるのは観光客だけで、「大丈夫 横も向かいも 灰だらけ」と川柳に歌われるように鹿児島市民にとっては日常茶飯事。傘を差したりマスクをしたりする人もいない。気になるのは風向きだけという。
さまざまな時代の溶岩
人口60万人を超える鹿児島市街地から海を挟んでわずか4キロ、フェリーで15分。周囲約50キロの桜島に近づくにつれて、溶岩の名残のようなごつごつとむき出しになった黒い岩肌が見えてきた。島内には4つの小学校と3つの中学校があり5116人が生活する。