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愛しのラテンアメリカ キューバ 1カ月8ドルで働く現実 (2/3ページ)

2014.1.5 09:00

通りから壁一枚隔てた空間には、外の喧噪とは真逆の静けさが広がっていた=キューバ東部のカマグエイ(緑川真実さん撮影)

通りから壁一枚隔てた空間には、外の喧噪とは真逆の静けさが広がっていた=キューバ東部のカマグエイ(緑川真実さん撮影)【拡大】

  • 市民の憩いの場、首都ハバナのマレコン通りでは、子どもたちが人間跳び箱ではしゃいでいた=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • 毎日のように観光客が訪れるトリニダ近郊のイスナガ。お土産用に多くの女性たちが刺繍(ししゅう)に励んでいた。後ろに見えるのが彼女たちの家らしく「こんな家に住んでんのよ。いくらか恵んでよ」と窮状を訴えてきた=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • キューバで流行っていた編みタイツ。日本人の友人が「社会主義だからみんな同じ格好してるかと思ったけど、全然違う」と驚いていた=キューバ・首都ハバナ(緑川真実さん撮影)
  • レコードやCDで装飾された家屋=キューバ・サンティアゴ(緑川真実さん撮影)
  • 首都ハバナの旧市街で、客待ち中の派手な色をした観光用タクシーのアメ車が並ぶ。人数がそろえば、他都市への移動料金はバスとさほど変わらない=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • キューバ・首都ハバナ、カマグエイ、トリニダ、サンティアゴ・デ・キューバ

 ≪たくましく、しなやかに…道開く意志≫

 もう一人は闇の長距離タクシー運転手の30代の男性、アデル。闇というからには、正式な営業許可なく従事している。「もし警察に遭遇したら、俺がうまいことするから口出すなよ」と言うが、「闇」から連想する怪しさはあまり感じない。タクシー代はバスと同じ料金。オフィシャルではないだけで、こちらとしては需要の隙間を縫っている好都合な産業だ。密室の車内で彼は言う。

 「経済も貧弱でキューバは貧しい。社会主義は好きではないけど、教育と医療が無料なのは素晴らしい」

 不満や諦めの言葉ばかり聞き、耳にタコができていた私にとって、アデルの肯定的な態度は新鮮だった。そこで、ニックが吐露していた心情を意地悪にもぶつけてみた。

 「でも海外旅行自由化も対岸の出来事で、一般のキューバ人はパスポートを作る費用も稼げないらしいね」

 するとアデルは世間の弱音を一蹴する勢いで「どこでもパスポート作成に費用はかかる、チケットも高い。そんなの当然だ」と言い放った。

 そして語気を強めて「国のシステムは関係ない。俺はたくさん働いて、お金を稼いで、旅行にも行って、この目で世界を見る!」。

フォトグラファー 緑川真実略歴

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