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愛しのラテンアメリカ キューバ 1カ月8ドルで働く現実 (1/3ページ)

2014.1.5 09:00

通りから壁一枚隔てた空間には、外の喧噪とは真逆の静けさが広がっていた=キューバ東部のカマグエイ(緑川真実さん撮影)

通りから壁一枚隔てた空間には、外の喧噪とは真逆の静けさが広がっていた=キューバ東部のカマグエイ(緑川真実さん撮影)【拡大】

  • 市民の憩いの場、首都ハバナのマレコン通りでは、子どもたちが人間跳び箱ではしゃいでいた=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • 毎日のように観光客が訪れるトリニダ近郊のイスナガ。お土産用に多くの女性たちが刺繍(ししゅう)に励んでいた。後ろに見えるのが彼女たちの家らしく「こんな家に住んでんのよ。いくらか恵んでよ」と窮状を訴えてきた=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • キューバで流行っていた編みタイツ。日本人の友人が「社会主義だからみんな同じ格好してるかと思ったけど、全然違う」と驚いていた=キューバ・首都ハバナ(緑川真実さん撮影)
  • レコードやCDで装飾された家屋=キューバ・サンティアゴ(緑川真実さん撮影)
  • 首都ハバナの旧市街で、客待ち中の派手な色をした観光用タクシーのアメ車が並ぶ。人数がそろえば、他都市への移動料金はバスとさほど変わらない=キューバ(緑川真実さん撮影)
  • キューバ・首都ハバナ、カマグエイ、トリニダ、サンティアゴ・デ・キューバ

 「カリブ海の真珠」と呼ばれるキューバ。1959年、フィデル・カストロ氏(前国家評議会議長)や、日本でも肖像写真をプリントしたTシャツがはやったチェ・ゲバラらがキューバ革命の末、政権を樹立した社会主義国家だ。ソ連崩壊後も政治体制を変えずに、カリスマ性のあるカストロ氏(現在は政界から引退)が率いてきた。

 私はここキューバで現代を象徴するような、対照的な2人に出会った。彼らの話から始めよう。

 1人目は東部の都市で土木作業員として働く20代の青年、ニック。仕事が休みの日には小銭を稼ぐため、葉巻工場で働く友人がくすねた葉巻を観光客に販売する。彼は「給料だけでは生活が厳しいから副業してる」と切り出し、祖国への不満を延々と爆発させた。約8ドル(約800円)の安い月給、不十分な食料配給、ハリケーンで家の屋根が外れても補助もなく、隣人の家に寝泊まりしている現状。自らを「カストロの奴隷」と自虐的に言い放つ。

 彼は、結婚を機にカナダに移住して、5年間の車工場勤務でキューバに住む母親に家を2軒購入し、いかしたアメ車も買った友人を羨(うらや)ましがる。「あー、僕も外国人と結婚して、海外に暮らして、お金をたくさん稼ぎたい!」。ニックにとって「社会主義」とは、1カ月8ドルで働く貧困そのものだった。

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