とくに国会での特定秘密保護法の強行採決で支持率を10ポイント近く落とした自民は「勝てる候補」(安倍晋三首相)の擁立のため、今週末から毎週、世論調査を行い民意を探り、正月明けには候補者を決めるという。その候補者がクリーンなイメージで、スポーツを理解し、国際外交にも明るい人になることを願うばかりだ。
公益とのバランス
政治家の不祥事は日本に限ったことはない。中国では共産党の意向で有力政治家が汚職容疑でしばしば追放される。昨年12月には重慶市トップだった薄煕来氏が逮捕され、今年9月に無期懲役の判決が言い渡された。今も江沢民元国家主席に近い周永康前政治局常務委員が、党の腐敗一掃キャンペーンの一環として、にわかに信じがたい1兆円もの収賄容疑で告発されている。
私たちが政治家に求めるのは政治的かつ経済的な清廉と公益のために粉骨砕身し国際社会に発言していく倫理に根ざした実行力である。メディアにも心して公益性のバランスに配慮した報道をしてもらいたいと思う。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS)