屈折した負のスパイラル
だのに91年以来、生家の聖域化事業を推進し家屋や門を復元し展示館を建設。祠堂(ほこら)や駐車場など2880坪を造成した。毎年青山里戦闘全勝記念祭りを開催してもいる。
韓国は“建国神話”を完結する必要があった。そうしなければ、いかんともし難い対日コンプレックスを拭い去ることがかなわぬためだ。韓国の悲劇はそこまで粉飾・捏造しても恥とも感じず、一方でコンプレックスは消えることがない、屈折した負のスパイラルにある。
韓国に真(まこと)の英雄が少ないのは、抹消したせいでもある。
例えば韓国陸軍の金錫源(キム・ソグォン)少将(1893~1978年)。帝國陸軍の幼年学校→士官学校と進み、韓国成立後に師団長(准将)に任官する。朝鮮戦争が起きる。米陸軍のダグラス・マッカーサー元帥(1880~1964年)の国連軍総司令官就任後の軍議で、愉快そうにこう言い放ち、日本刀を仕込んだ軍刀の柄を叩(たた)いた。