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ノンフィクション作家・猪瀬氏の説明責任 (2/3ページ)

2013.12.21 10:30

辞職を表明した記者会見で、質問に答える東京都の猪瀬直樹知事=2013年12月19日、東京都庁(早坂洋祐撮影)

辞職を表明した記者会見で、質問に答える東京都の猪瀬直樹知事=2013年12月19日、東京都庁(早坂洋祐撮影)【拡大】

 「本物のニセモノ」

 「政治家をよく知らないアマチュア(素人)」「政務ではアマチュアだった」とは、いったいどういう意味なのだろうか。東京は日本の首都である。東京都知事は、都民だけでなく、国民全体に大きな責任を負う。「私は政治の素人でした」という猪瀬氏の発言に、人間的誠実さのかけらも認められない。

 猪瀬氏が知事に当選した直後、筆者は辛口経済評論家の佐高信氏と対談した。対談の冒頭で、筆者は、「佐高さん、たいへんです。『本物のニセモノ』が知事になりました」と思わず口にしてしまった。残念ながら、この直観は当たっていた。「徳洲会」からの5000万円受領が明らかになってから、猪瀬氏は、国民、マスメディア、都議会に対する説明責任を一切感じていないようだ。猪瀬氏の関心は、「いかにして司直の手にかかることを防ぐか」ということに集中していた。それだから、刑事責任を追及される可能性がある事柄については、曖昧な発言に終始したのだ。猪瀬氏の反省は、「悪かった。悪かった、運が悪かった」という類のもので、誰もその釈明や謝罪に納得していない。

 「鬼の特捜」(東京地方検察庁特別捜査部)に逮捕されたことのある筆者の経験に照らして、近未来に猪瀬氏に特捜部から呼び出しがある。特捜検事に嘘は通用しない。特に猪瀬氏が公表した5000万円の領収書の真贋(しんがん)が特捜部の重大な関心事項の一つになると思う。

インタビューし公表を

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