一方、米国でも個人の秘密がNSA(国家安全保障局)によってひそかに収集・監視されているが、NSAの元職員、エドワード・スノーデン容疑者によって暴露され、国民がそれを知ることができた。
日本の安倍政権は衆参両院で圧倒的多数を占めているため、秘密保護法の国会審議や公聴会で国民意見が完全に無視された。しかも、私たち国民は、そうしたいい加減さを追及することが容易ではない。
今をときめく自民党の石破(いしば)茂幹事長は、毎日新聞の2006年9月23日付鳥取地方版に掲載されたインタビューで、こんな発言をしている。
「自民党内の若い議員を見ても、怖い。(中略)なぜ戦争を始め、途中で止められず、負けたのか。(中略)国は戦中、言論統制により新聞など批判勢力を排除し、従わなければ〈非国民〉と斬り捨てた。なぜ同じことを繰り返すのか」
現在の政権も同じことを繰り返そうとしているようにみえる。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS)