張氏は2011年12月の金正日総書記の死去後、おいである金第1書記の「後見人」的な存在として、体制移行で中心的な役割を担ってきたとされる。
解任に際し、北朝鮮当局は金日成(イルソン)主席の娘婿の張氏を、金日成・正日・正恩一族の“外様”とみなしている。朝鮮中央テレビは12月9日、解任を決めた会議の場で拘束、連行される張氏の姿を放映。高位級人物のこうした画像が公開されたのは1970年代以来という。
韓国の康仁徳(カン・インドク)元統一相は「金第1書記と張氏の権力闘争だ。最も力を持っているのは、金第1書記ではないか」と分析。また、ソウルの外交当局者は「権力維持へ張氏排除が必要と判断した金第1書記の明確な意思を感じる」と指摘する。
混乱の可能性についてソウルの外交当局者は「体制のぐらつきよりも、むしろ強さを示すのではないか」と権力集中が進むと見通した。経済改革については「経済の改善以外に道はない。別の人物を担当にし改革を進めるだろう」とした。