フィリピン中部に壊滅的な被害をもたらした台風30号の直撃からまもなく3週間となる。11月27日現在で5200人以上が亡くなり、350万人が家を失った。
台風に限らず自然災害が発生すると被災者は、その日食べるものすら手に入らない現実に直面する。そんな中、国連の食糧支援機関である「国連世界食糧計画(国連WFP)」は、被災者のために食糧を提供。また、他のNGOなど支援機関の救援物資を代わりに輸送したり、保管するための物流拠点を構築したりするなどの物流支援活動も行っている。
国連WFPの職員は台風が直撃した翌日の今月(11月)9日、被害調査のため、深刻な被害を受けたフィリピン中部レイテ島の中心都市タクロバンに入った。時々刻々と変化する被害状況を把握しながら、コメと栄養強化ビスケットをフィリピン政府との連携で被災者に届けている。ビスケットはドバイの備蓄倉庫に保管されていたものを取り寄せた。ビタミンとミネラルなどの栄養価が増強された高カロリーのものだ。調理不要で封を開ければすぐに食べられるため、被災者に重宝される。また、コメはフィリピン政府の用意した缶詰などとともに配給物資パッケージとして被災者に届けられた。