フィリピンの台風被災地で活動する自衛隊の国際緊急援助隊は11月25日、日本から現地入りした艦船に搭載したヘリコプターを使い、陸や海からの輸送が難しい離島への救援物資の空輸を始めた。
台風発生から2週間以上がたち、被害が集中した中部レイテ島タクロバンの飛行場には、自衛隊も含めた各国の大型輸送機が救援物資や機材を送り込み、十分な量が確保されつつある。
だが、支援を必要とする離島などの被災地は、道路の寸断や港の破壊で今も孤立化し、物資の不足が深刻なままだ。タクロバンからこれらの被災集落へいかに物資を分配するかが大きな課題になっており、自衛隊のヘリコプターは「即戦力になる」(フィリピン軍幹部)と期待されている。
タクロバン空港には25日午前10時半ごろ、レイテ湾に停泊中の輸送艦「おおすみ」から飛び立った2機の多用途ヘリコプターUH1が着陸。現地で待ち構えていた隊員とともに、滑走路近くに積み上げられていた米国からの救援物資を積み込み、タクロバンの南東約80キロに浮かぶ離島のホモンホン島に輸送した。