新規の契約者にも販売を認める点で、オバマ氏の見直しよりも抜本的に制度を変更する内容だが、200人の民主党議員のうち39人が賛成票を投じ、8人が棄権した。民主党議員にはオバマケアの見直しに消極的な姿勢を示せば、1年後の中間選挙で攻撃材料にされるとの懸念があるためだ。
オバマ氏自身も14日の会見で、オバマケアの混乱が来年の中間選挙で「民主党の重荷になる」として悪影響を認めた。そのうえで「私は完璧ではないが、大統領でいる間は人々のために全力を尽くす」と述べ、修正に意欲をみせた。
ただしオバマ氏が今回表明した見直しは保険会社に従来通りの保険販売を認めるだけで、義務づけはしない。保険業界は決定済みのルールの変更に「市場の不安定化につながる」と反発しており、実際に従来通りの保険が販売されるかは不透明だ。また見直しの結果、オバマケアで提供する品質の高い保険の加入者が減れば、保険料が値上がりする懸念もある。ジョン・ベイナー下院議長(64)は14日、「完全に米国民を守る方法はオバマケアを潰すことだ」と述べ、対決姿勢を鮮明にしている。