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ああ恐ろしい 犬、姉、絵の力 乾ルカ (1/5ページ)

2013.11.25 17:30

札幌のほぼ中心部にある中島公園。10月の末に訪れましたが、北の町では早くもイチョウが色づいていました=北海道札幌市中央区(乾ルカさん撮影)

札幌のほぼ中心部にある中島公園。10月の末に訪れましたが、北の町では早くもイチョウが色づいていました=北海道札幌市中央区(乾ルカさん撮影)【拡大】

  • いつもは乾家の愛犬・まるが札幌をご案内していますが、今回は先代犬で『アンジュール』の著者と同じ名前のガブリエル。約2年前に亡くなってしまいましたが、おっとりした優しい子でした=北海道札幌市(乾ルカさん撮影)
  • 「アンジュール」(ガブリエル・バンサン著/BL出版、1365円、提供写真)

 【本の話をしよう】

 今では、ほぼ見かけませんが、私がまだ幼稚園児くらいだったころは、たまに街中で野良犬に遭遇することがありました。野良犬といっても実態は現在と同じで、迷い犬か捨て犬かのどちらかだったのでしょうが。

 5歳のとき、我が家の前の雪山で姉と姉の友達と3人で遊んでいたら、北海道犬ほどの大きさの黒い犬に襲われたことがあります。襲われたというのは、もちろん私の主観。思い返してみれば、犬に攻撃の意思はなかったような気がしますが、幼い子供にとっては、だしぬけに現れた野放しの犬というのは恐ろしいもの。私たちはいっせいに悲鳴を上げ、逃げました。

 犬は逃げるものを追いかけるので、当然あとを追われました。姉たちはさっさと我が家の中に避難し、私が玄関に入る前に、ドアに鍵をかけました。私の背後には主観により巨大化した黒犬。家には入れない。姉はドアを開けてくれない…。

 私もどうにか近所の家に逃げ込んでことなきを得ましたが(子供の足でも逃げられたということは、やはり犬に攻撃の意思はなかったのでしょう)、「いざというときに、姉妹愛なんてない」という現実を、しかと悟った出来事でした。

文章が一つもない

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