Q どちらの命令が優先するのでしょう
A 専門家も「前例がなく分からない」と話しています。確定判決は今も有効です。長崎地裁が11月12日に出したのは「仮処分決定」と呼ばれ、国が異議を申し立てれば結論がひっくり返る可能性はありますが、それまでは効力を持ちます。
Q 国の反応は
A 事業を担当する林芳正(はやし・よしまさ)農水相は「相反する義務を負い、大変難しい状況だ」と話し、異議を申し立てるかどうか明言していません。
Q 今後どうなるの
A 確定判決が決めた開門の期限は12月20日です。それまでに開門されなければ、漁業者側は国に判決違反の制裁金を支払わせる「間接強制」という手続きを取り、圧力をかけると言っています。開門した場合は、農家側が仮処分決定に従わない制裁金を国に支払わせると言っています。
Q どちらにしても対立は続きそうですね
A ここまでこじれる前に問題を解決しなかった国の責任もあります。政治判断による解決を求める意見もありますが、両方に納得してもらうのは簡単ではありません。