総統は時間切れ狙う?
「この議題は疑う余地なく、敏感な政治問題を含んでいる」
実は馬総統は(10月)22日、出発前の呉氏らと総統府で会見し、相互の出先事務所設置案の「政治性」を認めたうえで、中台間で「政治問題を意図的に回避しない」と語りかけていた。
「中国が経済を手段に台湾統一をもくろんでいることは明白。結局、馬政権は最初に経済的うまみを得た分、2期目で政治的な差引勘定に迫られている」と民進党幹部はこぼす。
実はサービス貿易協定に関しては国民党幹部からも「一時の利と引き換えに台湾が絡め取られる一歩」との懸念も。一方で「馬総統は政治対話の入り口でポーズを示し、時間切れを狙う確信犯ではないか」と見る台湾メディア幹部もいる。
事実、馬総統は(10月)24日、米ワシントン・ポスト紙の取材に応じ、中台首脳会談の可能性について「(台湾)市民の支持と必要性、対等な尊厳」を条件にあげ、高い台湾社会のハードルを示している。(台北支局 吉村剛史(たけし)/SANKEI EXPRESS)