またイランはこれまでイスラム教シーア派組織ヒズボラやイスラム原理主義組織ハマスに対する武器供与や資金提供を行うなどのテロ支援活動を続けてきた。長期化しているシリア内戦でも化学兵器使用などで国際的な批判を浴びているアサド政権を支援するなど、米国との対立関係は鮮明だ。
対話路線を掲げるロウハニ師は、9月27日にはバラク・オバマ大統領(52)と1979年以来初めてとなる電話会談を行い、核開発は原子力発電などの平和利用が目的だと主張している。しかし米国内では、「イランは中東地域の盟主を目指しており、核兵器保有の野望を捨てたと考えられない」との見方は根強い。原油などのエネルギー資源に恵まれたイランには原発建設の必要性が薄いことも、イランに対する疑念を深めている。
このため米議会からは、イランに対して安易に譲歩すべきではないとの声が噴出している。民主、共和両党の新人下院議員78人は(10月)7日に公開したオバマ大統領への意見書で、「イランが根本的に路線変更するまで経済制裁を強化せねばならない」との対イラン強硬論を展開した。