米ウォールストリート・ジャーナル紙は(10月)9日、「イランが核開発を制限する用意がある」との記事を掲載。イランは会合で、稼働させる遠心分離器の台数を制限することなどに応じる準備があると報じた。また、高濃縮ウランの製造停止やフォルドゥの地下ウラン濃縮施設の閉鎖を提案するとの観測にも触れ、イランが全面的に譲歩する可能性を示唆した。
一方、米メディアでは「イランは米国などからどのような提案がなされるかを待っている状況だ」との見方も残っている。イランのムハンマド・ザリフ外相(53)はイランメディアの取材に対し、米国などが示してきた高濃縮ウランの製造停止などの条件を「過去のものだ」と指摘し、「米国などは新たな観点をもって交渉せねばならない」と述べている。
強硬な議会の姿勢
イランは1970年から核不拡散条約に加盟しているにも関わらず、2003年に国際社会の監視を逃れて核開発を行ってきたことが表面化。06年からはP5+1との間で核開発をめぐる協議を続けてきたが、高濃縮ウランの製造停止をめぐる対立が解けず、イランに対する経済制裁の強化につながる結果に終わってきた。