「誇れる産業」再興へ
立案から数年をかけて実現した日本真珠振興会の担当者、森永のり子さん(50)は、真珠関連産業の現状について、こう話す。
「真珠は、日本が誇れる技術の結晶だったんです。今から100年以上前に、日本人が世界で初めて養殖真珠を発明し、それ以来、『パール』といえば、『ジャパン』といわれるほどに日本の真珠は世界に称賛されてきた歴史があります」
真珠は日本を代表する輸出産業となったが、円高や安い海外産品の台頭で次第に輸出が減少。1990年代以降、政府の規制緩和に加え、真珠を育てる「あこや貝」のウイルス感染による大量斃死(へいし)などに見舞われ、厳しい状況にある。
「大きな打撃でした。廃業した業者さんもたくさんいます。この流れを少しでも変えるには、真珠に対するイメージを変える必要がある、と考えました」と、森永さんはコンテストを企画した意図を語る。