一方、欧州市場への進出拡大をもくろむハリウッドの映画関係者の声を代弁し、米映画協会(MPAA)の幹部は米通商代表部(USTR)に書簡を送付。「文化の多様性の重要さは認識している」としながらも、FTA交渉にあたり欧州側に留保を認めぬよう米政府に要請し、くぎを刺した。米側は、欧州の一部の国が映画会社に行う補助金などの助成措置も非関税障壁の疑いがあるとみて問題視しているもようだ。
ただ、難題はこれだけではない。国家安全保障局(NSA)など米政府機関がインターネット上などの個人情報を収集していた問題も米欧FTA交渉に影を落としそうな気配だ。
焦点の「データ」自由化
交渉ではIT(情報技術)分野も含めてサービスの幅広い項目が対象になる。米国はIT業界の要望を受け、国境を越えたデータのやりとりの一層の自由化をFTA交渉で協議するよう求めている。