自信のない人ほど「年下」を呼び捨てにする 器の大きさがバレる「言葉づかい」 (2/4ページ)

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 誰しも若いころは、オッサン、オバサンから命令口調で業務を指示される。「山田、次の会議で使うエクセル、さっさと作っとけよ!」といった形で、高圧的な命令を受ける。だが、これを「山田さん、次の会議で使うエクセル、作ってください。何日の何時までに仕上げてくれたら、とても助かります」といった調子で依頼されたら、若手はどう感じるだろう。

 基本的に、人間の感情というものは相対評価になりがちである。荒々しい命令口調の先輩と丁寧な口調の先輩がいた場合、立場が下の人間は丁寧な先輩のことを人格者と捉える。人格者と捉えられた人間は、その評判が周囲にも伝わり、会ったこともない人からも人格者扱いをされることとなる。

 上下の関係性のみで相手を値踏みする愚かさ

 立場が下の人間は、上の人間から理不尽な物言いをされたり、無理難題を押し付けられたりしがちである。それは上司と部下の関係、発注主と下請けの関係においてもしかりだ。いわゆる“上下関係”というヤツである。

 しかし世間には、「相手の都合を最優先にし、大金を払ってでも仕事を頼みたい」という人物も存在している。それは業界の大御所だったり、芸能人や著名なスポーツ選手だったり、「先生」的な人だったりする。こうした人に対しては、自分のほうが年上であるとか、お金を払っている側だとしても「お仕事をお願いさせていただいた」的に、丁寧に接しがちだ。つまり、無意識のうちに相手が自分より「上」だとラベルを貼るのである。

 そして、こうした実力者が自分に対して「敬語」「さん付け」「丁寧な口調」で接してくれたりすると、勝手に「○○さんは実力があるのに(有名人なのに、大金持ちなのに……)いい人!」と、自分のなかでの好感度を爆上げする。

 このような現象から透けて見えるのは、人間関係を「自分より上か、下か」で判断し、態度を使い分けるような、性根のさもしさだ。

無意味なマウンティング