普通の人は、なかなか集中力が続きませんよね? 勉強だって読書だって何時間もぶっ通しでできるものじゃありません。けれど、「天才」と呼ばれる人たちはそれができる。なぜかというと、脳の中でドーパミンが出やすい回路ができあがっているからです。
ドーパミンとは脳内の神経伝達物質で、うれしいことや楽しいことがあると分泌されるので、「脳内報酬」とも呼ばれています。ドーパミンが分泌されるとわれわれ人間は快感を得ます。わーっと盛りあがって、なんだか気持ちがよくなる。その体験を何度か重ねると、脳は快感を覚えます。そして「あの気持ちいいことをもう一度やろう」「気持ちいいことにまた挑戦しよう」という指示を出します。すると、われわれはもう一度チャレンジする、またドーパミンが出る、すごく気持ちいい、またやりたくなる。そのサイクルが完成されると、何か楽しそうなことを見つけて集中して取り組む人間になれます。
このドーパミンの分泌の仕組みを私は「ドーパミン・サイクル」と名づけました。世の天才たちはこのドーパミン・サイクルが普通の人よりも完成されているのです。だからこそ普通の人よりも、何かに気づきやすく、集中でき、成功することができるのです。
「ドーパミン・サイクル」は5歳までに完成する
いろいろ研究していくうちに、ドーパミン・サイクルは子どものうちに発達させておくべきということもわかってきました。そもそも脳の80%は0歳から3歳、遅くとも5歳ごろまでには基礎が完成してしまいます。残りの一生は、5歳ころまでに培ったものをベースに生きていくのです。ですから、5歳ころまでに脳のポテンシャルをどれだけ開花させられるかが、その人の「かしこさ」を決めると言っても過言ではありません。