学費3000万円「飛び級のススメ」、学生ローン156兆円「豆を食べ1週間」…恐ろし過ぎる“英米大学生事情” (2/5ページ)

 さらに、4分の1以上の学生は自分が住むアパートなどの家賃を払えないことがあったと認め、5人に3人(58%)は、次回の家賃の支払期限が来るまでにお金を使い果たしているというのです。

 この調査結果について、世代間における公平性を促進することを目的に設立された英のシンクタンク「世代間基金」の諮問委員会のメンバー、エステレ・クラーク氏は前述のインディペンデント紙に「借金とメンタルヘルスとの間には、明らかにネガティブな関係が横たわっている。借金を返済できないということは、とりわけストレスフルなことである。それが学生ローンの場合、借り手である学生にとっての借入金は非常に高額なため、無益なプレッシャーを与える。(それによって)学生が食べ物にありつけなかったり、孤独を耐え忍んだり、食べ物も買えず外出もできず、部屋に閉じ籠もるような状況になるとは考えたくない」と憤慨。

 さらに、国の学生ローンの債務を政府が民間企業に売却することになれば、状況がさらに悪化(理由は後ほどご説明します)し「学生のメンタルヘルスに重大な悪影響を及ぼすだろう」と訴えました。

 英学生連合(NUS)のシェリー・アスキス部長も前述のインディペンデント紙に「学生たちは、年々増加する巨額の借金を抱え続けている。NUSは、こうした状況が労働者階級家庭の学生の大学受験状況に与える影響について懸念している」と苦悩のコメントを寄せました。

■英国かつて授業料は無料だったのに…しかも6年で3倍に

 英国の大学の授業料はかつては無料でした。国がすべて賄っていたのです。しかし国家財政の逼迫(ひっぱく)で1998年には年間1000ポンド(約14万円)に。これが2006年に3000ポンド(約42万円)に。そして2012年にはいきなり3倍増の9000ポンド(約126万円)になりました。英国の大学は3年で卒業になるので、日本円にして計約380万円が必要になります。

「1週間、米と豆だけで過ごすことも」