いっぽう井出進一税理士事務所代表の井出進一氏は、投資を含めたすべての物事に対する彼らのスタンスに特徴があるという。
「『常識を疑い、王道を尊重する』。これが『金持ちじいさん』のすべての行動を表しています。私が見てきた顧客は、世間の大きな流れや流行については『本当にそうなのか』と自分の納得がいくまで調べますが、長い時間をかけて形成されてきた『王道』は大切にします。つまり、抜け道や一発逆転を狙わずに基本をきわめ、地道な努力をするのです」(井出氏)
これはまさに、投資の神様・バフェットのスタンスとも重なる。彼は、一発逆転を狙って「逆張り」をしているのではない。競争優位性があり、本来高い価値があるのに、わけあって割安になった株を買っているのだ。トレンドに乗って「順張り」していたら、あそこまでの巨万の富を築くことはできなかっただろう。
「多くの金持ちじいさんはバブル期の『借金をしてでもガンガン土地を買おう』という流れには乗りませんでしたし、インターネットバブルのときも、自分が仕組みを理解できなければ投資はしませんでした。自分で考えて行動するから、大切な資産をうっかり失うことがなく、結果的に資産を守ることができるのです」(井出氏)