ともかく保安官役(出発前のショーで悪徳保安官を演じていた同一人物)も合流して山賊が無事逮捕されたところで茶番劇は終了。車内に再び平和が戻ったことを祝って、「ラグジュアリー・パーラー・クラス」では「シャンパン・トースト」としてスパークリングワインが振る舞われた。「ラグジュアリー・パーラー・クラス」の特権である最後尾のデッキに出て、みんなで乾杯! 2時間15分の乗車はあっという間に終了してしまった。
とにかく演出が盛りだくさんの復路便。観光地らしく活気があり往路より人気だけれど、鉄道旅そのものを楽しみたい鉄道ファンには、往路便もやっぱり見逃せないと思う。
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら