世界の観光列車に乗ると、クルーのエンターテイナーとしてのプロフェッショナル意識の高さに舌を巻くことがある。それに対して我らが日本はというと、世界から“礼儀正しいが恥ずかしがり”という印象を持たれているようだ。
私の個人的な先入観だが、運行しているのはお堅い企業のJR、さらに新潟の人は奥ゆかしいのではないかというイメージもあり、「越乃Shu*Kura」の乗務員にエンターテイナーとしてのパフォーマンスは、あまり期待していなかった。
ところが。車掌も、サービススタッフも、ライブ演奏を披露してくれたミュージシャンも、蔵元イベントを主催した酒蔵さんも、意外にもみなさん、しゃべりがうまい。英語も使いこなし、外国人ツーリストとも楽しげに会話が弾んでいる。
ちなみに、この日乗り合わせたスタッフのみなさんは、全員が地元のご出身だった。沿線で生まれ育った人もいるため、そもそも新潟愛に満ちているうえ観光情報にも精通していて、下車後の楽しみ方についてアドバイスなどもしてくれる。聞けば、観光でいらっしゃるお客様にもっと新潟の魅力を知っていただこうと、仕事がオフの日は積極的に街歩きをして新しいスポットを開拓したり、スタッフ同士で情報交換をしているそうだ。