そうなると、今から老後資金を貯めていかねばならない。ところが長尾家の現状は、毎月2万円近い赤字家計。一時は500万円ほどあった貯金も200万円を切った。一方、世帯年収は1250万円ほど。本来、多少の浪費をしても毎月貯蓄にまわすお金ができていいはずだ。
そこで話を聞いてみると、どうやら分不相応に子供にお金をかけている現状が浮かび上がってきた。多くの場合、「ひとりっ子」家庭では、子供にお金をかけすぎる。
しかも長尾家の場合、2年ほどの不妊治療の末に授かった、待望の子供であり、溺愛ぶりはさらに度を越していた。ベビーグッズや服は山ほど買いそろえ、小学校は私立へ。
子供が「やりたい」と言った習い事はすべてやらせた。ただ、そうした子供にかけるお金以外にも、全体に浪費傾向があるとも想定された。高額所得家計にありがちなことだ。