キーワードとして浮かび上がってきたのは「晩婚・晩産」そして「ひとりっ子」。
まず、長尾家のように30代前半で結婚し、30代半ばで出産するなどという話は、ごく普通にある。晩婚・晩産と呼ぶのはしのびない。だが、老後資金の「貯め期」と子供の「教育費」がかかる時期が重なってしまうことを考えると、ややタイミングが遅い。
20代後半までに子供を出産していれば、50歳ごろには子育てが終わり、家の中には必要なものも買いそろっていて、給料もそこそこ上がっているから、50代は老後資金を貯める時期としてフル活用できる。
だが長尾さんの場合、娘が大学を卒業し独立するのは60歳目前のとき。しかも定年延長に伴い、収入が55歳からは今の8割程度、60歳からは今の6割程度にまでダウンする見込みという。