しかし、こうした暴走が、マイナス金利政策のあおりで融資先を無理やりに探さねばならない一部地銀で進行しているのだ。現場に詳しい人物が、匿名を理由に取材に応じた。
「地銀の融資担当者は、銀行の利益なんてどうでもいいんですよ。そもそも地銀だって将来どうなるかわからないし、いつまで勤めるかもわからないのですから。担当者は自分のボーナスを増やすことにしか興味がないんです」
「融資担当者は、銀行からは毎日上司から融資先を見つけろと強烈な圧力がかけられており、融資先さえ見つければボーナスは増えるのです。その上司も同じです。逆に、危ない融資によって銀行の抱えるリスクが増大する事についても、そもそも自分個人とは関係のない事と捉えていますから、リスクの感覚じたいがありません」
不動産業者は次のように語った。
「今は一部地銀が、こうしたスキームに使うための地方の物件を紹介してくれと、不動産業者に広く声をかけているんです。高収益を装える物件は多くはないですから、銀行の必死さに比例して力を入れています」