40代後半社員の9割ぐらいは、経営側から「年齢と給料が高めの標準人材」と評価されているでしょう。この世代は社内での人数が多いうえ、能力的には、狭き門をくぐり抜けてきた優秀な就職氷河期世代の猛追を受けています。もし事業環境が大きく変化すれば、いつクビを切られてもおかしくないグループに属しているのです。
ところが本人にはその自覚がなく、自分の10年後の姿を、今の50代半ばの「ぎりぎり逃げ切り世代」を見てイメージしています。あまりに楽観的、と言わざるをえません。
部下なし管理職を含め、出世コースから外れた40代後半の多数派会社員が、定年まで社内で生き残るにはどうすればいいのか。大きく分けて、道は3つあります。まず、マネジメントで貢献できない分、現場で高いパフォーマンスを発揮し続ける「業績5割増しコース」。余人をもって代えがたい業務で会社に貢献する「特任業務コース」。そして、正管理職を巧みにフォローする「サポート役コース」です。
「業績5割増しコース」は、基本的には現場の一プレーヤーとして、管理職未満の一般社員とは一線を画す実績を挙げ続ける道です。たとえば営業部門なら、一般社員の1.5倍ぐらいの数字を出し続けることが一つの目安になるでしょう。