曹操や劉備を勝者にした「離れる力」とは何か? 新時代を創る男たち (1/5ページ)

2016.6.11 17:06

『実践版 三国志』(鈴木博毅著・プレジデント社)

『実践版 三国志』(鈴木博毅著・プレジデント社)【拡大】

 生き抜くための叡知が溢れている

 『三国志』と聞いて、まったく知らない方は少ないでしょう。

 始皇帝が立ち上げた秦帝国は、秦王政が死去してからわずか15年で崩壊。群雄が台頭するなかで項羽と劉邦が争い、最後に勝った劉邦が漢帝国を建設(前202年)します。三国志の時代が始まるのは、前漢のあとを継いだ後漢帝国が崩壊する220年前後からです。劉邦の漢帝国は前後合わせて約400年続いた長期政権でした。歴史と伝統を持つ帝国が、汚職や権力の腐敗により滅びるとき、新しい才能が世に出て新時代を創ります。

 古い権威が崩壊して、時代が大きな転換期を迎えるとき、たいていの場合、崩壊していく巨大組織は、閉塞感のなかで仲間割れや、足の引っ張り合いばかりが起きます。そのような組織では、古い慣習から権力を握る者が固定されており、時代から大きくズレていきながらも、権力をこれまで持っていた層は、決して手離さないからです。

 現代日本でも、歴史と伝統を持つ巨大企業が強い閉塞感の中におちいっています。最近では名門企業のシャープがこの春に台湾の鴻海精密工業に買収されました。同じく名門企業の東芝、三菱自動車は不祥事の発覚とその対応に苦慮しています。

巨大組織が時代の転換点でつまづくとき、大量のリストラと…

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