ただし、この結論は条件つき、である。実は、従来通りの「爆買い」はそう長くは続かないのでは、と私は思っている。従来通り、とは「同じ商品を何十個も買う」「ありきたりの観光地を団体で巡る」という意味である。
「爆買い」ブームの先駆けとなった人々は、すでに5泊6日のゴールデンルート(東京-富士山、名古屋、京都、大阪)を巡る一般的な旅に飽き飽きし始めているからで、日本人よりもはるかに早いスピードで生きている中国人の「爆買いの中身」は、今後変わっていくことが予想される。
観光施設や関係者に話を聞くと、その兆候が出てきているし、中国人に話を聞いても、彼らの旅行の目的や楽しみ方は刻一刻と変化している。行き先や食べるもの、興味の幅が驚くほど広がってきており、「えっ、なんでこんなところにまで?」と思うほど出没しているのである。